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企業の国際化が叫ばれる中で、重要な要素となるのが国際コミュニケーションと言えるでしょう。
今回は、外資系企業で国際コミュニケーションのスペシャリストとして活躍されていますリチャード・アルバートソン氏に、職場における英語の運用およびスキルアップについてお聞きしました。インタビュは、理想的な国際ビジネスパーソンになるための、様々な示唆を含んでおり大変に参考になる内容となっています。

 
― リチャードさん、国際コミュニケーションのお仕事をされてからどのくらい経つのですか?
 日本では2つの企業で18年間にわたり国際コミュニケーションを教えています。第二外国語としての英語教授という意味では、1977年から教えており、既に30年になりますね。
 
― そうですか。一般的に、日本人のビジネスパーソンの英語運用能力についてお聞かせ下さい。あなたから見て、ここ十数年の中で大きな変化や発展がありましたでしょうか?

個々人が語学を学んでいる

 私は、限定した形で、「日本人」が英語を学んでいるかどうかを述べるつもりはありません。あくまでも個人レベルにおいて職場で或いは日々の生活で、英語の必要性を感じそれに応じた学習を日本人はしていると言った方が適切だと思います。そういう意味では、国際社会で非常に効果的なコミュニケーションを行っている日本人を私は見てきています。元国連難民高等弁務官でいらっしゃった緒方貞子さんなどは、その良い例といえます。彼女は素晴らしい英語の能力を駆使して仕事をされていました。個々人が相対的に英語を学んでいるのであって、日本人総体として英語を学習しているわけでは決してないのです。
 
― 国際コミュニケーションの専門家として日本のビジネスパーソンに職場での英語運用能力の向上について、何か助言があればお聞きしたいのですが。

英語学習の3つのキーワード

 はい。私は、3つのポイントについて考えるべきだと思うのです。1つ目は、「必要性」。2つ目は「時間」。そして3つ目として「学習テクニック」です。

まずは、「必要性」についてです。最初に「一体、何のために英語を学ぶのか」ということを自らが確認する必要があります。それは、社内の英文メールを書くためなのか、報告書を書くためなのか、或いは電話会議に出席するためなのか。そして、あなた方の限られた時間の中で自分が必要とする言語の具体的なスキルについて的を絞って学習する事が大切だと思います。

継続こそ本物の英語力をつけるためのキーワード


肝に銘じなければならない事として、「学習に近道はない」ということなのです。巷でいわれる「スピード・ラーニング」等は存在しないと考えます。一番、効果的な学習とは、コツコツと積み重ねていくこと以外にはないという事なのです。そうですね、1日に15分から30分を、その目的にあわせ絞った形で学習をすること、そしてそれらを長い年月をかけて繰り返していくことが最も重要な事だと言えます。それがご自身のキャリアの中で長期的に継続して行くことです。 最後に、皆さんは、積極的に語学を効果的に学習した人々と話をするべきでしょう。彼らがどのような方法で英語を学んだのかという事について知ることです。身近な例ですが、私の妹は外国語の習得に長けています。彼女は、かつてフランスにいたのですが、彼女は、『バスに乗っている』という場面を想定し、そこで繰り広げられるであろう会話を、書き出してみるのです。こうして書き上げた会話を、今度はフランス人もしくはフランス語の先生に見てもらうわけです。そして、実際にバスに乗車した場合、或いは郵便局に行った場合などあらゆる場面を想定した会話が今度は現実のものになるわけです。私は、妹のこうした学習方法はとても素晴らしいものだと思います。 確かに妹の例は、すべての人にとって有効ということではないかも知れません。しかし、私は語学学習の達人がどのような実践をしているのか、その方法を知り、それが自身に合うのであれば活用していく事は大切だと思います。

英語能力を高めるためには、その必要性と目的を明確にして、限られた時間を有効に使い、そして自分に適した学習テクニックを利用する事です。

 
― 続いて、Business English Proについてお聞きします。
近年、日本ではヒアリングの能力の向上に重きが置かれ、他の能力については軽視されている傾向にあるようです。
Business English Proは、基本的にリーディング能力向上を重視したプログラムですが、英語の4技能における「読む」ことの重要性について教えていただけますか。

生徒を本気にさせる Business English Pro

 私も全く同感です。現在、日本人の多くは、ヒアリング能力を伸ばすことに力を入れているようです。それは、彼らが採用している学習プログラムが、ヒアリングに重点が置かれているからでしょう。しかし、職場においては、75%のコミュニケーションはすべてEメールによるものだとある本に書かれていました。従って、それが英語であろうと日本語であろうと我々は、「読む」「書く」という作業にほとんどの時間を費やしていることになります。
重要なのは、学習者が学習の内容に興味を持てるかということが重要です。その点、Business English Proには、そうした学習者に学習意欲をもたらす要素が4つあると思います。
まず言える事は、本物のビジネス記事を教材に使用しているということです。ビジネスの世界で日常話題となっている事柄と学習教材に距離がなく、教材記事を読む事で『もっと知りたい』という意欲を高めることになり、学習を加速させるのです。

次に、このプログラムが用意しているWeekly Reviewという機能に着眼します。これは、その週に学習してきたKey Vocabularyを復習するものですが、同じ単語を復習する際にも、数種類の違った方法を用いています。これにより学習者は英語を「読む」能力を高めることができるばかりか、日々のビジネスで活用できる単語を効果的に学習できると言えるでしょう。

 3つ目としては、学習者の多くは効果的な英語リーディングの学習方法について、考えたことはないと思います。このプログラムでは、効果的な英語学習の戦略について述べられています。学習者は、英語リーディングの戦略を活用することで、その能力を高めることが出来ます。

 最後に、Business English Proが持つ音声機能の重要性について述べたいと思います。テキストの文字と読まれる英文を音声で聞くことで、ヒアリング能力の向上の一助になることでしょう。この機能も学習意欲を高めるには、十分なものだと考えます。

 
― 英語を読む上で、あなたが重要だと思うテクニックについてお聞かせ下さい。

英語を効果的に読むためのヒント

 日本人は世界的に見ても、最も教養のある民族の一つですね。私も電車の中で彼らが新聞や本を読んでいる姿を毎日見ています。経験上、私は日本には世界のどの国よりも書店の数が多いと感じています。このような環境下ではありますが、日本人がいざ英文に目を通した場合、英語を読んでいない場合が実に多いのです。つまり、読むという行為ではなく、彼らは個々の単語毎に翻訳作業を行っているのです。その結果、日本人の多くは読むスピードが遅くなり、その英文が一体何を伝えようとしているのか、その主題を読み落としてしまいがちです。そこで私は、皆さんに英語を効果的に読む為のヒントをお伝えしたいと思います。これらを実践することで、リーディング能力を向上させることが出来ることでしょう。

1. 易しい教材から
まずは、あなたにとって易しい英文を見つけることです。1ページに5〜10個以上の知らない単語がある文章は避けるべきです。

2. 意味群を掴むためのテクニック
  1. 個々の単語ではなく、ある程度まとまった意味単位で読む事が大切です。以下のテクニックを試してみて下さい。
  2. 一つの文章の4〜6個の単語毎に /マーク (斜線)を引きます。この作業を1〜2のパラグラフ(段落)で行います。
    次に、/マークで区切られた単語群に集中するようにして上から下に目を通していきます。 これがMeaning Groupと呼ばれる、意味単位のかたまりとなります。つまり、このMeaning Groupを読むのです。
  3. そして今度は一度、英文から目を離して単語のかたまりを静かに自分に聞こえる程度の声で読んで下さい。1日1記事のペースでこの作業を行います。これにより、皆さんは翻訳をする癖を取り除き、意味を把握する能力を自ら獲得することができるのです。
  このテクニックを使うとリーディング能力ばかりではなく、より自然に話す能力を高めることができますよ。是非、試してみて下さい。

3. 文章中のアイデアを結ぶ鍵を探す
文章の中にあるアイデアを繋げているフレーズを探します。例としては、for example(例せば)、in addition(加えて)、on the other hand(一方で)、therefore(それゆえに)、in conclusion(要するに/結論として)・・・これらのフレーズに着目しどのように使われているかを知る事によって、書き手が何を伝えたいのか、その理解を更に深めることが出来ます。

4. 付属の音声も活用しよう
BEProをはじめ、リーディング教材には音声が付属しているものがあります。あなたが読んだ内容を音声としてそのまま聴くことが出来ます。あなたは、こうした付属音声を活用して次の二つの事が出来ます。一つは、読む事と聴く事を同時に行うという作業です。こうしたテクニックはシャドーイング(Shadowing)と呼ばれ、読まれている音声に合わせてあなたも文章を音読するのです。二つ目のテクニックとして、前述のMeaning Group毎に音声のポーズボタンを押して、あなたは直近に読まれた意味郡を繰り返し音読します。これは、リッスン&リピート(Listen & Repeat)と呼ばれるテクニックです。これは、単語単位で考えて読んでしまう癖を取り除き、意味群単位で考える力をつけることが出来ます。また、こちらの方法を活用することで、新しい単語を覚える上でも役に立ちます。そして非常に大事なこととしては、この訓練を行う事で、話す力と聴きとりの力が向上するという事です。

5. 単語を増やそう
毎日、3〜5個のビジネス英単語をあなたのボキャブラリとして加えていきましょう。BEProが提供しているWeekly Reviewを週に1〜2回行う事はこうしたボキャビル(単語を増やす作業)をする上で非常に効果的だと言えます。

以上の訓練を1日、20〜30分行う事で、あなたは英語を効果的かつ効率的に読む事が出来るようになります。それは丁度、あなたが日本語を読む時と同じように英文を読めるということです。
 
― 最後に、大学生や外資系企業を目指している社会人に対してアドバイスがあれば、お願いします。

必要なスキルを具体的なターゲット

 まずは、人事部に直接コンタクトをとることをお薦めします。特に大学生の皆さんであれば1年生もしくは2年生の頃がよいでしょう。そして、皆さんが求めている職種に対して具体的にどのような能力や技術が必要なのかを人事部の方から聞くことです。それによって、専攻科目をどのように決めていくのかを考慮し、その能力を向上させるために務めるのです。英語に関して言えば、前述の通り75%のコミュニケーションがEメールによるものですから、英語の「読み」「書き」の能力を高め、英文Eメールや短いパラグラフライティングについて学ぶ為のコースを取ります。人事部は、これにより即戦力となる人材と判断するでしょう。そうした人材を我々も求めているのです。

繰り返しになりますが、企業にとっては即戦力が重要で、卒業後に、どれだけ企業の為の人材となるかということが大切です。

 また、人事部にコンタクトをとるだけではなく、希望する職種に関係する部署でのアルバイトの仕事を斡旋してもらう事も重要でしょう。更に、インターンシップ制度に登録してみることもお薦めします。これにより、実際の職場がどのようなものなのか、仕事はどうなのかということを事前に体験することができます。そして、その企業が本当にあなたに合っている企業なのかどうかの判断をすることができるわけです。

 
― どうもありがとうございました。
 どうもありがとうございました。
(写真左) リチャード・アルバートソン氏 (写真右) ジェフ・ホスキンス氏